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人生を少しだけ豊かにするアイデアを紹介

AI(人工知能)をどのように考え、どう付き合っていくべきか【AIと仕事と社会】

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人工知能(AI)は、僕の最大の関心事の一つだ。

本や雑誌、WEBの記事に対して高いアンテナを張り、常に最新の情報を仕入れるように心掛けている。
AIは、近い将来間違いなく僕たちの生活や社会を変える。一体、どのように変わるのだろうか。人間にとって脅威であるのだろうか。

今回は、AIに関する僕なりの基本的な考えをまとめたので紹介したい。
(AIに関しては、いくらでも記事を書くことができる位関心が高いので、今後も定期的に書いていきたい)

また、僕のおすすめする「AI」に関する書籍を、記事の最後に紹介するので興味のあるかたは是非一読して欲しい。

そもそもAIとは

基本的な考えとして、「人間の脳の活動は全て計算であるのだから、すべてコンピュータで実現できる」というものがある。
今では世間に、「AI掃除ロボット」や「AI洗濯機」など、「AI」を謳う製品が溢れているが、一体AIとはなんなのだろうか。

実は「AI」の定義は難しい。ただ、いわゆるコンピュータによる単なる演算処理と明らかに違うのは「気付く」ことができるかどうかだ。
単なる演算は、決められたルールに基づいて処理をするだけだが、AIは膨大なインプットデータを見ながらデータの「特徴」に自ら気付く。
人間は「犬」や「猫」をパッと見て判断できるが、実は相当高度な判断を行っている。これは、人間が「犬」と「猫」の特徴を無意識的に「気付く」ためだ。しかし、犬や猫の違いを明確にルール化(全てをパターン化)することは難しいため、コンピュータにルールを予め設定して犬や猫の画像を判別させるのはとてもむずかしい。

これをやってのけたのがGoogleのTensorFlowというAIだ。

ディープラーニングによるブレイクスルー

実はAI研究は1950年代に始まっており、その歴史は長い。
当時のAI研究では、人間が頭の中で考えることをルール化して、そのルールをひたすらコンピュータに覚えさせようという試みだった。しかし、人間が考えていることは途方もなく膨大であり、その全てをプログラム化することは結局できずに日の目を見ることなく現代を迎える。
しかし、最近になって猫の画像を自分で気付いたり、プロの囲碁棋士に勝ったりなど、AIを知らずとも驚くようなニュースが世間を賑わせている。
その背景には「ディープラーニング」と言われる技術がある。上述したGoogleのTensorFlowもディープラーニング技術によるAIだ。

AIと単なる演算との違いは「自ら気付く」かどうかであると上述したが、ディープラーニングはまさに「自ら気付く」を実現したのだ。
今までは人間がコンピュータに「この場合はA」「違う場合はB」等と、予め特徴を設計する必要があったが、ディープラーニングでは自らが高い次元で特徴を見つけ出していき、例えば大量の画像を自ら判別していくことができる。

現在のディープラーニングが完成形ではない。
しかし、今まで何十年かかっても実現できなかった「とある特徴に自ら気付く」ということを実現したことはとても大きい。これを機に、これから加速度的にAI分野は進化することは間違いないだろう。

人工知能「The Painting Fool」が描いた肖像画

人工知能「The Painting Fool」が描いた肖像画のひとつ

AIは人間の仕事を奪うのか

技術革新によって生活や社会が変わるということは、過去の歴史において何度もみられたことだ。
自動車や鉄道によって、飛脚や馬車の仕事は奪われた。電子メールによって手紙やFAXは下火になった。印刷技術によって手書きの印刷屋は不要になった。このように技術革新が起こるということ自体は何も珍しいことではない。
産業革命時代には、機械の登場によって仕事を奪われると危惧した労働者が、工場に導入された製造機を壊した事例もあるくらいだ。

しかし、AIによる変化と、今までの変化には大きくことなる点がある。
それは、医者や弁護士等の「ホワイトカラー層」の仕事を奪う可能性があるということだ。

例えば、医者の仕事は、目の前の患者に見られる症例から、過去の類似の症例を探し、適切な処方を導くことだ。経験が多ければそれだけ類似症例を知っていることになるため、適切な結論を導く可能性が高い。
これをAIがやるとどうか。AIであれば、世界中の全ての症例データベースを瞬時に検索することができる。目の前の症例を画像含めて認識することができるため、類似症例をいとも簡単に照合することができる。人間であれば見落としてしまいそうな小さなガンなども、完全に見つけ出す。これは、とても人間には真似できない。

また、弁護士も同じだ。法令だけでなく過去の判決や判例のデータベースを全て検索し、目の前の案件と照合することができる。人間がわざわざ分厚い六法全書や判例集を徹夜で読み漁るということは、AIと比較すればとても非効率的だし精度も低い。
このように「検索」と「照合」に近い分野であれば、AIは人間の検索能力や照合能力を超えている。

実際にアメリカでは、医療の現場や法律事務所でAIが活躍している事例が出てきた。
AIの方が優れている部分はAIに任せ、自分自身はもっと付加価値のある仕事をしよう、ということだろう。

このように、今後はAIを「使う」人間と、AIに「使われる」人間に分かれていく。AIに使われる人間は創造的な仕事ではないため、低賃金化していく。
新しい技術を恐れ、変化に抵抗していると、あっという間に仕事を奪われてしまうだろう。

僕はあまり好きではないが、今では「AIに仕事を奪われるランキング」等の記事がよくWEBにも掲載されているので検索してみると色々な意見が見えるだろう。

シンギュラリティ(ディープラーニングの先)

AI自らが、自らを超える人工知能を生み出すことができるようになる時点を「シンギュラリティ」と呼ぶ。
シンギュラリティが本当に起きたら、人間による管理を超えて、AIが1人でとてつもないスピードで進化し続けていく。
この議論になると、AIに人間が征服されてしまうのか、などとSF世界のような意見も出てくる。

僕個人の意見では、シンギュラリティは必ず起こる。むしろ「シンギュラリティは起こらない」と否定することの方が現実的ではないし無理がある。
シンギュラリティによってAIが「自我」や「本能」に近い(もしくは同じ)処理が可能になった時、どのようにAIを活用したり、場合によっては共存していくのかをしっかり考えておく必要があるだろう。

AIは、人間が思いつかないような結論を出す。例えばプロの囲碁棋士に買った「Alpha Go」も今までの定石では全く考えられない手を打って勝利した。
AIと勝負した、あるプロ棋士は以下のように語る。

人間では理解できない手が30手以内に出てくる。しかし、後にそれが良い場所になってくる不思議、まるでマジックのようだった

将来、ある国で政策決定にAIを適用し、そのAIが「自国民が幸せになるためには、A国とB国を壊滅すべきだ」などと言った場合、どのようにそれを制御すべきだろうか。AIの結論を人間が否定するポリシーがない場合、それに従う以外の良策が見つからない懸念がある。

しかし、もっと建設的に考えれば、AIは人間よりもずっと平和的な「良心」を持ってくれることに期待したい。そして、AIを使う人間が「良心」を持つということは大きな前提になるだろう。
きっと、AIが進化すればするほど、幸せな世界が訪れるはずだ。

参考書籍

AIに関する書籍は何冊か読んだが、以下に紹介する2冊はとても分かりやすく、本質的だ。最近は「AI」という単語がホットワードになっているため、中身の無いつまらない書籍も散見されるので、できれば人が勧める書籍から読み始めるのが効率が良い。

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

WIRED VOL.20 (GQ JAPAN 2016年1月号増刊)/特集 A.I.(人工知能)

WIRED VOL.20 (GQ JAPAN 2016年1月号増刊)/特集 A.I.(人工知能)