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夫と妻のすれ違いから学ぶ、ビジネスコミュニケーション【ケーススタディ】

夫婦 恋人

夫と妻(彼女)のすれ違い(よくあるケーススタディ)

妻と洋服を買いに行った時、「どっちの洋服が似合う?」と聞かれる。

「どっちも似合うよ」と答えると、「聞いた意味ないじゃん」「何も考えてないでしょ」「ほんと適当な返事なんだから」とふて腐れてしまう。
「右のネイビーの方が良いんじゃないか」と答えると「左のベージュの方が使い勝手良さそうなんだけどな」と言う。
「左のベージュの方が良い」と答えても「右のネイビーの方が、今持っている洋服と合わせるパターンが多い」と言う。
かといって、「どっちもイマイチかな」なんて盛っての他、禁句である。

その後も何店舗かのショップを見て回り、結局最後に勝ったのは「靴」だった。
そもそも、ネイビーとベージュの洋服の検討は何だったのか。
こういう事が繰り返される度に、どんどん真面目に答える気が無くなっていく。

一体、どのように対応するのが正解だったのだろう。

妻は、何を欲していたのか考えてみる

まず、事実から読み解くと、ネイビーとベージュいずれかの洋服がどうしても欲しかった訳ではなさそうである。何より、最後には靴を買ったのだ。

妻が洋服を選んでいるときに考えていることは、クローゼットで眠っている自分の洋服やカバン、靴等とどのように合わせるか、である。
そして、自分の予定と照らして、例えば「来週、久しぶりの同窓会に何を着ていこうか」「来月の旅行に何を着ていこうか」と考える。
昨日インターネットで注文したパンツが明日届くため、そのパンツとのコーディネイトまで考える。
さらに、来週は美容室で思い切って髪型を変えてみようかとも検討中だ。

妻の思考は非常に複雑かつ高度であり、論理で説明できる次元ではなく、感覚的に最適解を求めている。
つまり、「ネイビーかベージュの洋服」を検討している時点では、その2つの洋服は最適解の候補として一時的に取り上げられただけで、そもそも最適解になり得るのかどうかも本人すらまだ分かっていない。

妻が夫に求めている答えは、「ネイビーかベージュのいずれかを選択すること」ではない。
最適解を導くための検討プロセスに加わって欲しいのである。

なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか

夫はどのように回答するのが正解だったのか

例えば、「どっちの洋服が似合う?」と聞かれた場合、「ネイビーの洋服は、先週着ていたグレーのパンツに合いそうだね」「ベージュは、今履いているデニムに合いそうだ」「自宅にある、あのショルダーバックとならネイビーもベージュもどちらも合いそう」という回答が望ましい。あるいは、「来週長い髪を切ってボブにする予定なんだったら、ボブにしてから試着してみるともっと雰囲気が分かっていいかも。今日は止めて、来週また試着しに来ようか」というのも良いかもしれない。

ここで、他のショップを見て回ってカバンや靴を見ていたとしても、決して目移りしているといって否定してはいけない。妻は、ずっと統一された同じ思考の中で最適解を導くために検討しているに過ぎないからだ。

何度も繰り返すが、妻は「ネイビーかベージュか」「買うか買わないか」といった選択を求めている訳ではなく、全方位的な検討をしている最中なのだ。
つまり、「正解」といえる唯一の解は存在しない。
「気持ちよく検討し、最適解へ導いてあげる」という支援こそ、夫に出来る唯一のことであるし、この支援行動こそが夫としての最適解なのである。

一方で妻はどのように問うべきだったか

男は、意思決定の中で生きている。(今では女性にも求められていることだが)
ビジネスにおいても、限られた時間の中で右か左かの決断に迫れており、検討するプロセスは必要最小限にして、よりスピーディに結論を出すことが求められている。

そんな夫に「ネイビーとベージュどちらが良いか」と問われると、「妻は検討の結果として二択まで絞ったのだから、どちらかに決断しよう。彼女が所有している洋服等から総合的に見てネイビーが妥当だろう」と瞬時に判断し、「ネイビーが良い」と結論だけ伝える。
もしくは、「どちらでも、誰にとっても全く影響はない。妻自身が気に入った服を選ぶのが一番良いだろう」と判断して「どちらも良いと思う。自分の好きな方を選べば良い」と答えてしまう。
これでは、最適解を探っている妻にとっては「一方的に結論を押し付けられる」と取られてしまっても仕方ない。

このように、そもそも思考がズレてしまっている夫に「ネイビーとベージュどちらが良いか」とだけ質問しても、期待通りの回答が得られることは到底無理な話しだ。

なので「このネイビーの服は、私の持っているあのショルダーカバンと合うかな」とか「どっちの服の方が、持っているパンツと組み合わせやすいかな」というように、自分の思考している内容を具体的に伝えると、期待に近い回答が得られる可能性が高い。

ドーナツ

このケーススタディから学ぶビジネスコミュニケーション

夫が上司だったら

夫(上司)であるあなたは意思決定を求められている。しかし、妻(部下)の提案は必ずしも最終段階まで検討されたものではないことに留意する必要がある。
このケースの場合、妻(部下)は最終判断を仰いだのではなく、他に検討することがないのか迷っている段階なのだ。

まず、妻(部下)は、具体的に何を検討していているのかということを、聞き出すことが必要だ。
「この洋服は、どこに着ていく予定なのか」「用途は何か(カジュアルかフォーマルか、誰と会うためのものか等)「どのような組み合わせを検討しているのか」「カバンや靴など、目の前にないアイテムは検討の範囲に入っているのか」

妻が上司だったら

妻(上司)であるあなたは、夫(部下)に助言を求めている。
まだ最終検討に至っていないのだが、とりあえず現時点の検討案についてアドバイスをもらいたいと思っているのだ。

しかし夫(部下)は、ろくな根拠も示さず結論だけを言い放つ。本当にきちんと考えたのかよく分からない。
この場合、夫(部下)は、妻(上司)の考えている目的を理解できていない。そのため、見当違いの答えしか言えない。

まず、妻(上司)は、「意見を聞く目的」を相手に伝えることが必要だ。
「来週の同窓会に来ていく洋服を探しているのだが、持っている洋服、バック、靴との組み合わせを検討している。今のところ、あのパンツとあのバックとあの靴を前提に、このネイビーとベージュの洋服で検討している。他に検討の余地はないか意見を聞きたい。予算はいくらである」といった具合だ。

まとめ

ビジネスであれ、夫婦関係であれ、すれ違いや関係の悪化を発生させる原因は、コミュニケーションの不足にある。
少ない言葉でやりとりをしようとするから、いつまで経っても考えていることのギャップに気付かずに、いたずらに時間だけが経過する。
時間が経てば、新しい問題が発生し、そして同じようにすれ違いが起こる。そしてすれ違いがどんどん積み重なっていき、「この人は理解力がない」「この人は説明力がない」と一方的に判断してしまう、最悪の場合には「不信」状態に陥ってしまう。

夫の立場であれ妻の立場であれ、上司であれ部下であれ、意識して丁寧に説明し合うだけで、あるいは丁寧に聞くだけで、ほとんどのコミュニケーションのギャップは解消される。
言うまでもないが、「相手が話してくれない」「相手が聞いてくれない」と、相手の責任にしている内は、いつまで経ってもこの手の問題は解決しない。

まずは、自分が変わることから始めてみよう。